momokurisannnennの日記

下書き+備忘録

コーラルの性質に対する認識を、人類とその他で分けてみた

劇中説明されたコーラルの説明が、ゲーム内のキャラクターによってその認識が異なるため

プレイヤー視点で見たとき、異なる認識を一つにしようとして逆に混乱している人が多い

あえて、与えられた情報を統合せずに、人類視点と、知性型変異波形やオールマインド、また交信可能な主人公621の視点で分けてまとめてみた

 

コーラルとは

今作の鍵となる惑星ルビコン3で発見された新資源。半世紀前のアイビスの火でその大部分が焼き払われたと考えられていたが、ごくわずかに残っていたようで、ルビコン開発民(ルビオニアン)によって、細々と利用されていた
この情報は長い間、封鎖機構と呼ばれるこの世界の政府系組織によって星外に対し秘匿されていた
しかし、独立傭兵レイヴンにより、ルビコンにコーラルが残っていることがリークされると状況は一変。新資源獲得を目的とする複数の武装企業の介入を促し、資源の奪い合いによる三つ巴ならぬ四つ巴の戦いが始まった

ただし、コーラルを語る上で留意しなくてはならないのが
コーラルの性質に人類とそれ以外(エアやセリア、オールマインド)とで、少なからぬ認識の差がある事である

 

通常のコーラル(未精製・あるいは採掘された直後のもの)

〇人類の認識ルビコン3で採掘された地下資源。生物であることはわかっているが謎が多い。知能に関しては、生物的反応はするがあったとしても粘菌やアリ程度のものと思われているものと推察される
主にミルワーム餌や麻薬の原料となる。石油で言えば原油に近い状態である

集積コーラルでの戦闘において大きな湖のように表現されており、通常液体であることが示唆されている

また、その場面において足元に攻撃しても着火しない等、この状態での発火点は相当に高いか、そもそも発火しない可能性がある
▽コーラル知性体やAMの認識:群知能を持つ知性体でありエアやセリアにとっての同胞。活発な生命活動や増殖は行っておらず、地球の生物で例えるならば地下で眠りについているのに近い状態と考えられる
セリアは「尽きることが無い」と言っていたが、その意味は考察により分れる

 

活性化したコーラル

〇人類の認識:採掘された普通のコーラルに対し、群知能にエネルギーを送ることで活性化し、エネルギーを何らかの信号と誤認させることで、そのエネルギー放出に任意の指向性を持たせることができる。つまり、ある程度操作が可能な状態のコーラル。作中では赤いエネルギーとして、ブースターの炎や兵器に使用されている
工業上のエネルギー資源として非常に優秀であり、石油関連製品で例えるならば精製済みのガソリンのように認識されている
また、電子運動に影響を与え、また与えられることから、情報伝導体としてもすぐれた可能性を持つ。密度によって増殖が可能であり、真空状態では異常な速度で増殖する。この性質は本編中ジェネレータなどに利用されている

三週目以降に追加される、『コーラル輸送阻止』の輸送ヘリやコーラルを食べすぎたミルワームなど、外的ダメージによって爆発することが示唆されている

あえて通常コーラルと分けたのは、この爆発誘爆する性質に注目する考察において、コーラルであれば誘爆するという認識を避けるためだ
▽コーラル知性体やAMの認識:人類とほぼ同じ知見だが、コーラルの知能が人類の想定より高い事がわかっているため、やや人類よりも注意している。(例えるなら、人類が粘菌の性質を利用して迷路を解かせるような感覚でいるのに対して、彼女らは知性体の行動としてアリやハチの習性を利用して特定の行動をとらせると考えているようなもの)

 

不活性コーラル

〇人類の認識:液体でなく基本的には結晶構造の個体らしい、粉塵として大気中に漂っているか、灰としてルビコンの大地に積層している

群知能としての活動は行っておらず、増殖も再生もしていない。「灰」とも呼ばれている。いわば『コーラルの死骸』だと認識されていると思われるが、エネルギーは通常の大気より内包しているようで、濃度が濃い場所ではACのエネルギー充填率が飛行によるエネルギー消費を上回るため、無限に飛行ができた

アイビスの火」以後、焼却されたコーラルが惑星全体の大気を覆っている。

▽コーラル知性体やAMの認識:最も人類とコーラル変異波形や主人公の認識と食い違う部分。

主人公621に赤い奔流として認識されたように、またエアがその声が聞こえるはずと繰り返し言っていることからも、決して死骸ではない。一度大量の熱エネルギーを与えられたことで一種の仮死状態にあるのか、あるいは生物としてみれば極端な疲労状態にある。声に応えることも能動的な何かができるわけでもない。再活性化が可能かどうか・・・というより再活性したのかは、リリースルートの解釈によって異なる

当たり前の話であるが、例えば犬などの動物を焼き殺したできた灰を、不活性犬と呼ぶことが無いように、不活性化したコーラルは何らかの理由でコーラルのままであることは注意が必要

 

相変異

〇人類の認識:集積したコーラルが、異常増殖を始めた状態。少なくとも本編の半世紀前であるアイビスの火以前では、一度変異体となったコーラルに対して制御方法は確立しておらず、焼くことで不活性にするしかないと考えられていた。
また、相変異の後何が起こるかは、わかっていなかった。
アイビスの火はこの状況からの致命的な破綻を防ぐために、研究者ナガイ教授らがコーラルに火をつけたことが原因と思われる
▽コーラル知性体やAMの認識:AMからすればコーラルリリースの計画の一つ
エアはこの現象に対する知識が無かったため、主人公に依頼する形でアイビスの火の原因を探っていた。リリースルート以外では人間の研究以上の知見は得られず、人間の感想を素直に受け取って「破滅」と表現していたが、それを防ぐ方法もまた見つかると信じていた
セリアに関しては、自らコーラルリリースを提案する等していたことから、脅威として受け取ってはいない可能性が高いが、本編中その真意が語られることはない

変異波形およびCパルス変異体

〇人類の認識:数あるコーラルの群知能の波形の一つで珍しい変異をしたもの。

ナガイ教授ら研究者は、相変異の兆候ととらえていたが、具体的にどう関係があるのか(発生自体がその前触れなのか、数が増えるとそうなのか、その知能についてどこまで研究が及んでいたかは本編内で語られていない)

主人公とドルマヤンと除き、会話可能な知性を持つことを知っている人間がいるかは不明
▽コーラル知性体やAMの認識:会話可能どころかハッキングや依頼の授受や換金などの商取引、果てはACの操作が可能なレベルの知性を持つ

エアの他勢力との交渉や換金などの商取引は、ウォルターからは基本的に主人公が独断でやっているものと認識されている

エアは自己が生まれた原因を特定できておらず、自我を持ってから長い間少なくとも人に声を届けることはできなかったと言っている(ただし、これは本人の自己申告。不審点が多すぎることには留意)
AMは観察記録から、長い間この変異体を探していたことが示唆されているが、その発見と特定は主人公がウォッチポイントを襲撃する直前だった。
エアの長い間~というセリフが事実であるなら、何らかの理由で検知できていなかったことになり、言い換えればAMの言動が別の知性体の存在を否定する根拠にはならない。
そのため、現在はドルマヤンとの交信をしていないであろうセリアの消息は不明であるし、他の知性体が存在しないとも限らない

【AC6考察】アーマードコアVIの考察の分岐点について

考察で意見が分かれやすいポイント

複数の考察ブログや動画・掲示板(ふたば・あにまん・5ちゃんなど)から、比較的意見が異なりやすい部分を理由付きでピックアップしました

注意点として、考察者の多い少ないは私の見た範囲での大小のため、正確ではなないかもしれません

あくまで、複数の考察者様の間で意見が異なる部分に対するピックアップです

 

まず、今作に限らず、そもそも物語を読み解くうえで重要な事実を確認したい
ほとんどの創作物において、登場人物の全員が、嘘一つなく隠し事も無い状態で、必要な情報はすべて声に出して音読してくれる・・・などという事はない
一見当然のようだが、見落としがちな事実である。
エアにしろ誰にしろ、他の登場人物全員が主人公(プレイヤー)に伝えていない情報など山ほどあるだろう
特にACシリーズは、あえて様々な考察ができるように説明をボカしているのだから

 

ドルマヤン随想録の書かれた時期

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  • ドルマヤン随想録の記述の時期アイビスの火の前か後かで、考察者の意見が分かれる

 

まず前提として、アイビスの火の後惑星封鎖により合法的な輸出入は途絶えているが、それ以前のルビコンは、新しく発見された植民可能な惑星であり、新資源発見に沸き立つ開拓惑星であった
ゲーム内映像でも、豊かだったころのルビコンの美しい姿が描かれているし、作中に集合住宅と思われる居住施設が何度も登場することからも、封鎖されていない時代の繁栄を想像できる
最初から資源に乏しく輸入も期待できない状態だったわけではない
このことは、C兵器と呼ばれる技研の遺産が半世紀たった新型ACと同等以上の性能を持つことからもうかがい知れる。

随想録が、アイビスの火以前に書かれた可能性
随想録②では、セリアはコーラルについて「尽きることは無い」と言っていたようだ。
また、随想録⑤から彼女は本編でAMが計画したコーラルリリースに注目していた
これは複数の考察においてかなり重要な発言である

ドルマヤン随想録2

この随想録②は、かつてはコーラルが尽きることは無かったという、別の記述『ルビコニアンの糾弾』から、アイビスの火以前の物ではないかという考察もできる
そして随想録⑤のコーラルリリースへの注目、それに反対するドルマヤン。これが、アイビスの火の直前に起きたとすれば、あの事件はセリアによるコーラルリリースをナガイ教授がコーラルを焼き尽くすことで防いだ可能性すらある‥‥
このことから、随想録がアイビスの火以前に書かれたとする考察者は多い

 

随想録がアイビスの火以後に書かれた可能性
ドルマヤンは、作中明記されてはいないが、コーラルの声が聞こえることや、かなりの高齢であるにもかかわらず自らACを駆ることから、強化人間である可能性がある。(作中明言されていないからと言ってそうではないとはならない。ウォルターらの発言からも、旧世代型強化人間には精神安定に問題があるとされるため、隠していたかもしれないし、逆に周知の事実だったために口に出して確認しなかった可能性もある)
オールマインドが旧型の強化人間を重要視していた件も、一般ドーザーでも交信可能であれば数の少ない旧型強化人間にこだわる理由がない
しかし、随想録②と同じミッションで入手可能な『ナガイ教授の口述筆記②』において、コーラルを使った強化人間化について、人道的見地からナイガイ教授ら科学者が反対しているのがわかる。
随想録②内だけでも「声を見るようになってどれほど経つだろうか?」という記述から、ドルマヤンが強化人間だとすれば、強化を受けてかなりの年月が経過しているはずであり、随想録が書かれた時期がアイビスの火以前では辻褄が合わない
また、『いつものように恵みを取る』『己の欺瞞を恥じた』という記述からも、食料もエネルギーもコーラルに頼るしかない時代に書かれた物で、普通の食料もエネルギーもあったと推察される封鎖前の開拓惑星時代。つまりアイビスの火以前の記述であるとは考えにくいという説である
随想録②自体が、おそらくは戦闘で撃破されたACから読み取ったものであることも考察ポイント。ルビコンが内戦状態になったのはアイビスの火以降

 

では、アイビスの火以後にコーラルが「尽きることは無い」とセリアが言ったことになり、矛盾が発生しないか?
他の文書データ「枯れ行く井戸」から、発見した井戸が枯れるなど事実尽きかけているはずのコーラルが?

 

矛盾しない
その前提で、エアのコーラルに対する態度を見てみよう
彼女はずっと、大量消費は嫌っていたが、コーラルを通常の生活に使用するのには問題ないと考えていたし、緊急事態である最終決戦は元より、621も自らもコーラル由来の兵器を駆使することにためらいはない
自分以外のコーラルをずっと同胞と呼び続け、自分自身の体の一部としては考えていない
さらに、エアは集積コーラルの場所を特定しておらず、アイビスに守られたコーラルの泉を見て驚いてすらいた

 

このことからエアは、すべてのコーラルの集約した意識というわけではない事がわかる
少なくとも、エアの意思は地上に散逸しているコーラルの流れや、発見した集積コーラルに宿っているのでは無いだろう
セリアも同様だったと仮定すれば、彼女らは人類が気づいていないし伝えていない何かを知っているのではないだろうか?

 

これらのことから考察するに、彼女ら変異波形はコーラル全体に宿った意思というより、どこか安全な場所に本体のような何かが存在し、散逸したコーラルを使用することは、本体に何のデメリットも無いと考えれば、辻褄はあうだろう

 

この、コーラルの本体的なものが別にあるという考察はオールマインドの言葉でも推察できる。ミッション「コーラル輸送阻止」では、通常コーラルを『母集団から孤立した個体群』と表現しており、リリースルート最終決戦では「エア、あなたの同胞は我々を受け入れるでしょう」と発言している。目の前に大量の集積コーラルと吸い出されたプラント内コーラルがあるのに、「するでしょう」という予想なのは、目の前の吸い出されたコーラルには意思は宿っておらず、別の場所にエアの同胞、意思を持ったコーラルが複数存在している可能性も矛盾はない。

 

あくまで例えば・・・だが、コーラルの本流は惑星のマントルや核等、人類が到達し得ていない深い場所に存在し、人類が発見した地表付近のコーラルはそこから滲み出たほんの一部、氷山の一角に過ぎない可能性もある
あるいは、そもそも別の星系から飛来した存在で、人類と邂逅していない群がいくらでもいる…
とかであれば、ほとんどの辻褄は会う計算ではある(もちろん、そんな記述はゲーム内のどこにもないが)
その参考となるのが『枯れゆく井戸』の記述。一見すれば、コーラルが取れなくなり枯渇しつつあるように思える、確かにその通りなのだが、注目すべきは、むしろ当たり前のように書いてある「ガリアで”見つかった”井戸」という文章が、逆に未発見・未発掘分がある証拠でもある。
もしくは、逆に失われているように見えるコーラルが失われてない可能性もある

※枯れ行く井戸

まとめ
結局はドルマヤンの随想録の書かれた時期によって、事件に対する見方が大きく変わってしまう
よって、「前か後か」で二つの考察が成り立つ

 

前提:ドルマヤンと交信可能になったセリアは人類との共存についてコーラルリリースについて興味を持っていたが、ドルマヤンの賛同は得られなかった

考察①
随想録の記述がアイビスの火以前であった場合、強化人間でない時点でのコーラルとの交信が可能な可能性や、惑星封鎖前からルビコン移植民は困窮していた可能性が高くなる
主に、セリア黒幕説やセリアとオールマインドの繋がりを支持する考察者の多くがこちらの考察を支持している
一つの可能性としては、セリアは独断でコーラルリリースを実行しようとしたが、コーラルが人との会話が可能なレベルの知性を持つことを知らないナガセ教授らにより、異常増殖による破綻の前兆と誤解され焼き尽くされた。セリアはこの後登場しない。ここで大きなダメージを追った可能性もある。
あるいは生きてはいるがダメージを負って自分で動けなくなったため、ただの傭兵支援AIに過ぎないオールマインドにリリース計画を唆した可能性すらある。
オールマインドがエアが会話可能なことに驚いたそぶりが無いため、変異波形が会話可能な事をエアとの接触以外の何かで知っていた可能性が高いからだ

 

考察②
全ての随想録がアイビスの火以後だった場合
ナガイ教授の口述筆記⑤「変異波形発生の兆候も見られる」より、セリアやエアのようなヒトのような知性の有る変異波形はアイビスの火がきっかけで生まれた可能性がある。また、ヒトから見れば尽きかけているコーラルが尽きることはないと告げられるなど、人が発見しているコーラルは氷山の一角。全体のごく一部にすぎない可能性が出てくる
もしくは、人類はコーラルについて致命的な誤解をしている可能性だ(不活性コーラル再活性仮説)

 

ちなみに、オールマインドの捜索能力は、はっきり言って当てにならない。エアの自己申告によると「長い間自分を認識できる人間はいなかった」と言っているため、自我をもってある程度時間が経っているはずであるが、ログ『観測データ:変異波形反応』から、長い間コーラルを観測していたのに、エアの存在に気づいたのは主人公のウォッチポイント襲撃直前である
そのため、オールマインドが他の変異波形を発見できていない事を根拠に、他の変異波形が存在しない証拠とするのは、いささか乱暴であると言わざるをえない

 

考察②-2
「本体が別にある」という前提では、可能性として、エアやセリアの「本体の居場所」は、別の考察もできる
あくまで可能性の一つだがリリースルートでイグアスがジャミングを行ったとき、エアの声はイグアスには届かかなくなったのか、イグアスの耳鳴りは止んだし、交信で遠隔操作していたはずのACは止まった
イグアスと主人公の通信は普通の電波を使ったものだろう
しかし、交信をジャミングしてたとしたら、なぜエアの声は主人公には届き続けたのだろうか?
主人公に交信が届くくらいなら、その場のACも変わらず動かせたのでは?
彼女の本体・・・核となるコーラル変異波形はもしかしたら主人公の脳内にある可能性も捨てきれない

 

ウォルターの最後のメッセージはすべてが真実か否か

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  • ウォルターに託されたメッセージは、真実をそのまま語っているという説と、そうではないという説がある。

 

そのままだった場合の解説は、そのままであるがゆえに必要ないと思われる

 

レイヴンの火ルートと解放者ルートで、捕縛された主人公621にウォルターがあてた最後のメッセージには信憑性に疑問が残るという説について解説したい

 

ナガイ教授の恐れた破綻と、ウォルターのメッセージで告げられた内容は、果たして同じものだったのだろうか?
全て噓という話でなく、ウォルター自身の誤解や、部分的に重要な情報を秘匿したりしている可能性は高いという考察である

 

以下4つの疑問点について考察してみよう

 

メッセージを受け取った時の状況
物語上の状況
熱的ダメージに弱いコーラルの特性上の破綻への懐疑要素
状況が特殊とはいえ、「賽は投げられた」エンドで事実破綻はしなかった

 

順番に見てみよう

 

①メッセージを受け取った時の状況が、メッセージそのものへの信憑性を薄めている
自分自身が捕縛される直前である上に、すでに企業に捕縛されて、『再教育』中であるはずの621に暗号化されたメッセージ通信など届くとは限らないし、届いても開封できないかもしれないし、企業に先に暗号を解析され開封されてしまうかもしれない
当然、オーバーシアーの存在が露見しうる機密情報など送れる状況ではない
企業がまだ気づいていないコーラルの秘密を隠していた場合でも、あえて本来の重要な懸案事項を伏せた可能性が高い

 

②物語上、つまり世界観の話だが、そもそもコーラルが真空中であれば無制限に増殖可能なエネルギー・質量保存の法則を全く受け付けないような性質を本当に持っているのであれば、そもそも物語中のような状況は生まれていない
真空ポンプなど二束三文で作れてしまう。
現在の科学でも、恒星圏である以上、常に太陽風の影響を受ける宇宙空間よりも完全な真空を容易に作れるだろう
ルビコニアンは飢えないし、企業は最初の数トン…いや、数キログラムを持ち出しただけで、無限生産に成功し、人類は恒久的なエネルギー源を確保した世界になっているだろう
しかし、ルビコンも人類文明もそんな兆しすら見えない

 

ウォルターらオーバーシアー以外の人類がこの特性に気付いていないというのはあり得ない。
惑星封鎖による物資と情報の統制がされたのはアイビスの火がきっかけであり、必然として封鎖前の情報やコーラルの特性に企業や解放戦線が無知とは考えられない
アイビスの火以前の半世紀前ならいざ知れず、コーラルは銀河に少量ながら流通し、事実コーラルジェネレータはこの特性を利用して、あえてエネルギーを使いつくした後に急回復する性質を持つ。そんな商品が流通していて秘匿情報とは考えづらい

 

通常のコーラルは安全で、一度相変異してしまうと、エネルギー保存の法則を無視した増殖をするというのも考えづらい。いつ相変異を引き起こすかわからない、通常のコーラルよりも、その相変異済みのコーラルこそ制御可能な極少量だけ持ち出され高値で取引されるだろう
あるいは一度でも変異した時点で打開策が無いのなら、どうやって相変異について知ったというのか。なぜ企業はそれでも持ち出そうとするのか
破滅の内容が真実なら、それを世間に公表するだけで企業にも機構にも圧力となるはずだがそれもしていない

 

つまり、語られていない何かがあるはずなのだ、真空以外の条件か、エネルギーの上限が

 

③そもそも内容に疑問がある
ゲーム中で語られたコーラルの増殖速度が密度に由来(ナガイ教授の口述筆記等)し、また群知能が集まる性質がある(chapter2の冒頭中央氷原へ向かうコーラル)とした場合、拡散せず集まる性質上、ある一定度増殖した時点で密度ゆえの増殖停止が起きるのではないか?

 

仮に無限に増殖するとしても限界がある栗饅頭で宇宙は滅びない(←何のことかわからない人はコピペして検索してみよう)
指数関数的増殖と言っても3次元空間での出来事である限り、増殖する立体の半径の伸長速度が光速を超えることは無い。完全に光速に達してしまえばその物体の時間が止まり、質量はエネルギーになることは有名だが、実際にはそのかなり手前の段階で、光速に近づくほどウラシマ効果により物体の内部時間が遅くなるし、質量は崩壊する
恒星間は数光年あるため、もし下記に書くコーラルの自爆が無く、隣の星系にコーラルが広がると仮定しても数年後となるだろう
つまり、増殖速度は空間上の上限が存在する

 

宇宙空間に、自己増殖する可燃物が放り出されたとしよう
まず、単純化のために恒星の重力と太陽風圏外ならどうか?、仮に他の重力を持つ物体が全くない場所で増殖が進んで巨大な群を形成した場合にどうなるか?
万有引力の法則にしたがい、宇宙空間にばらまかれたりせず、質量の大きいコーラルの塊が生まれそして月レベルの大きさになるころには自分が産んだ重力により周辺の物体を引き寄せるだろう
そしてその中心温度はその巨大さから質量の中心核に圧縮熱を生む
コーラルの質量が不明なため参考になるかは不明だが、月の核の温度は1600度くらいと推定されている
自らが生み出した熱による誘爆自爆。
それは超圧縮によりブラックホールになるより圧倒的に早く訪れる。
ブラックホールより先に元コーラルの恒星が生まれる可能性が高い)

 

その上、実際には恒星の熱線(光と電磁波)太陽風がある
ルビコンから宇宙空間に、自己増殖する可燃物が放り出されたとしよう
まず、惑星の引力圏外で自己増殖を開始した時点で、恒星からの引力と太陽風の影響を受けるだろう。そのため巨大化を続けながら彗星のように尾を引いて恒星方向に落下移動することになる
質量が巨大になるほど受ける影響は大きくなる
『宇宙は意外と熱い』月の表と裏の寒暖差が280度もあるように、惑星の大気や磁場という保護なしで恒星方向に中心核が移動すれば、必然として熱的ダメージを受け続ける
徐々に蓄熱していき恒星の影響圏外よりは早く限界が訪れる可能性が高い

 

※注1:これにつてのこれ以上の考察は長くなるので、いったんここまでにして、文末に注釈を追記する

 

結論として、熱ダメージで誘爆するのが事実であるならば、語られた破綻には疑問が残るという考察者は多い

 

④賽は投げられたエンドにおいては、事実真空に解き放たれたコーラルは、空間に空いた穴に吸い込まれた、もしくはブラックホール仮説においては、拡散では無く収縮を行った

 

①~④

つまり、そもそもウォルターが主人公に語った破綻は、全て真実というわけでは無い可能性もあるという事だ。

 

もちろん、すべて真実という考察者も多い
しかし、第三者に漏れたときのために、意図的に真実を隠したか、専門的な物理の知識のない621のためにあえて端折ったのかまではわからないが、すべて真実という前提の考察には異論がある考察者も多いことは知っておきたい

 

ちなみに、主人公救出ミッション以降、コーラル焼却の協力者でありオーバーシアーの生き残りであるカーラは、破綻を防ぐために行動を共にするが、破綻の具体的説明をあらためてすることはなかった

 

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※注:1の追記
についての考察の続き

  • 集積コーラルでのアイビス戦で、足元にグレネードを打ち込んでも爆発しない以上、コーラルの発火点が異常に高い可能性はないか?

    • もしそうだとした場合、カーラの作戦は完全に裏目になってしまう。爆発には熱だけでなく衝撃も加わるからだ。発火点が高く熱よりも衝撃が早く伝われば、中心点から見て端にあるコーラルは誘爆より先にはじき出されてしまう。ニュートンの揺り籠の原理だ

 

  • 人工衛星がそうであるように、太陽光や電磁波はそれほどの過熱をもたらさないのでは?

    • コーラルが通常液状であることが問題。人工衛星などは何重にも電磁波対策をしている上に、主体が金属である。電子レンジに金属を入れると電磁波を弾くが、液体は加熱される。宇宙服にも電磁波対策がされているため、人間は加熱されないが、生身で長時間出れば話は別となる(それで発火するかどうかは、コーラルの発火点が不明なため、確かに別問題)

 

  • 地球や月の核をなす鉄よりも、コーラルの比重は軽いと予想される。恒星圏内の考察において、惑星の公転と自転の遠心力によって、逆に恒星と逆方向にはじき出される可能性はないか? また、彗星のようにすれ違う可能性は?

    • 真空で増殖するという性質が真実である場合、一度逆方向に移動しても自身が生み出した質量によって、重力に捕まる可能性が高いし、彗星のように直接恒星に落下せず、すれ違うとしても、太陽に最接近した際には彗星もかなりの高温にさらされる。仮に恒星の影響を受けないほど遠くの宇宙まで行ったとしても、どの道圧縮熱自爆の可能性は否定されない

 

  • コーラルは物質でなく生物であるため、自爆を避ける運動をするのではないか

    • その可能性はある。コーラルが宇宙空間で自律運動可能な生物=コーラルは元々宇宙を旅してきた仮説についてはコーラルリリースの仮説参照

 

  • オープニングで、アイビスの火の時点でルビコンのみにとどまらない大災害となったと語られている。惑星内の一点での爆発で星一つと他の星に被害が出るくらいだから、誘爆自爆時点で大災害となるのではないか?

    • コーラルの性質そのものに謎が多いのでその可能性はあるが、単純な爆発エネルギーがルビコン星系以外で問題になるとは考えづらい。アイビスの火の時点でルビコンという惑星そのものが消滅しなかったことがそのヒントとなるだろう。宇宙規模で見れば、惑星とは本当にちっぽけな石ころであり、少なくとも惑星が耐えられる規模の爆発であったと推察される。

      • 忘れてはいけない。恒星は常に核爆発により宇宙線と電磁波と爆風となる太陽風をばらまき続けていて、その太陽風が自身の引力圏と拮抗し逆流することで恒星圏が形成されているのだ。また、銀河規模で見れば寿命を迎えた太陽が恒星爆発を起こすことなど日常茶飯事である。各恒星系が影響を受けないのは、これら他の星から押し寄せる爆風と自身の太陽風がぶつかって相殺されているからだ

        • その点、コーラルのオープニングの映像が、少なくとも、現実の宇宙の法則を超越した現象であることは、多くの考察者が支持するところだろう

一度火が付いた場合に連鎖誘爆すると語られている以上、ルビコンは滅びても、数光年先の別の恒星系への影響は、当然数年後でありそのエネルギーも指向性が無い以上は拡散されているだろう
恒星系はそれぞれが自らの太陽風と磁場、引力圏で守られており、別星系の一点からの爆発では外側からの壊滅的エネルギーの到達は困難である(ルビコンのすぐ隣の星系に人類域があったとしてもであり、実際にルビコン3や地球のような人類が居住可能な惑星がすぐ隣の星系に連座している可能性は低い)

 

無限増殖のというのは疑問が残る

 

この辺りはコーラルが実在しない以上考察でしかないが、どこかで限界を迎えるという考察は説得力があるため、支持する考察者は多い

 

エアの隠し事

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  • エアの発言はどこまで信じてよいのだろうか?

 

エアが自分自身が知性あるコーラルであると明かしたのは、アイスワーム戦後である

 

それまでの一人のルビコニアンというが嘘というわけでは無いが、都合の悪い情報は秘匿する程度の駆け引きはできるという事だろう
嘘や秘匿の可能性を考えたとき、エアの発言はどの程度信頼性があるのか疑問視する声も多い

 

信頼性が高い発言
エアの語った「自分はコーラル」という趣旨の発言は信用できるという考察者は多い。オールマインドやドルマヤン、洗脳後のウォルターと言った複数の第三者が追認しているからだ。そのため、実はそれ自体が嘘で、例えばコーラル由来のC兵器に搭載されたAIが自我を持った等の仮説は可能性が低いだろう。

 

一方で、他の部分の多くの発言が検証することができない。そもそも主人公とオールマインド以外にエアと会話できる存在がゲーム中に登場していないからだ。
エア自身の行動から推理するしかない

 

信頼性が低い発言
多くの考察者が、比較的信頼性が低い…つまりブラフか重要な情報を秘匿している可能性が高いと考えるのが、レイヴンの火ルートにおける衛星砲の二射目が可能だったかどうかという点だ

 

このルートでエアは主人公に「衛星砲を掌握しました」と告げ、さも呼び出しに応じなければ主砲で撃ち落とすことができるかのような雰囲気を言外に込めることで呼び出すことに成功した
しかし、衛星砲が再び主砲を…2射目を撃てるのであれば、何も言わずに撃つか、主人公を衛星砲に向かわせ、自分自身はがら空きになったザイレムをアイビスで堕としていたのではないだろうか?

エア戦の背景を見るとザイレムから衛星砲へ向かって砲撃が行われているが、衛星砲側からは、リングの端についた副砲で応射しており中央のアイボールから放ったと思われる主砲は発射されていない

そもそも2射目を撃つとも言ってない。衛星砲が構造上、連射可能だったかも不明
あの場でのエアの行動は不可解である。何らかの理由で、主人公を呼び出す必要があったか、ザイレムを堕とせない理由があった可能性は高い

 

理由はどうあれ、ブラフだった、もしくは主人公に秘匿していることがあるため、主人公を封鎖ステーションにおびき寄せる必要があったという考察には説得力がある

  • 主人公621がエアにとっての交信の中継ポイントや翻訳装置のようなものという考察においては、アイビス起動のためにアイビス621の物理的距離を縮める必要があったために封鎖ステーションに来させる必要があった。アイビス起動の必要があるという事は、衛生砲は当然撃てなかった。掌握しました云々は2射目があるかのように思わせるブラフである

  • エアの本体であるコーラル変異波形が主人公の脳内のコーラルデバイスなのでは?という考察派閥においては、連射が可能か不可能かに関わらず自分自身の本体ごとザイレムを撃ち落とすわけにはいかず、安全な場所に移動させる必要があったと考えられる。その場合、一射目がかすめただけで直撃しなかったのも狙ってそうした可能性が高い。宿主が死んでも無傷な寄生虫は多いように、主人公の頭さえ無事であれば、人間としての生死は内部に寄生したエアには影響が無いという考察である

  • もちろん、連射が可能だったが感情的に主人公と決着をつけたかったという説も根強い

 

ひとりのルビコニアン発言も含めて、直接的な嘘よりもミスリードを狙う会話術が得意と思われるが、それだけの知能がある以上、完全な嘘がつけないわけでもないだろう
どちらにしろ、エアは嘘にしろ秘匿にしろ、会話の駆け引きができるという事は多くの考察者が支持するところである

 

以上、比較的信用できる点とできない点を紹介した。これをふまえたうえで本題
エアが会話による嘘や秘匿でのミスリードを狙うことがあるという前提で考えたとき、主人公に告げた作中の情報はどこまで信用できるのだろうか?

 

考察が割れやすい部分
特に考察の分岐点となるのが『私は長い間誰にも知覚されずに~』と孤独を匂わせるセリフの意味だ
『誰にも』は、人類の話なのか他のコーラルを含むのか。またエア自身は他のコーラルの声が見えると言っていたが、彼女の声が他のコーラルに届かなくなってしまったのか、あるいはコーラル知性体(知性を持った変異波形)が他に存在しないという意味なのか、そもそも嘘の可能性は?
また、変異波形を探していたはずのオールマインドがその存在に気づいたのは主人公のウォッチポイント襲撃直前だった。彼女は本当に長い間存在していたのだろうか?
いたとしたら、どこにいたのか?

 

彼女は主人公と交信が可能になった時点で、流暢に言葉を話している。生まれて間もないという事はなさそうだ。
さらに、自らエアという名前を名乗っている。名前は無意味に存在しているのでなく、他者と自分を区別するための重要な称号である、主人公ですらあえて名前でなく番号「621」にもかかわらずである。彼女は少なくとも主人公と出会う前の時点で、他者と自分を区別する必要があったと考えるのが自然だ。
また、直後のミッション開始時に、分析や改竄には心得があると語っている。これが嘘や言い間違いでないとした場合、分析だけでなく改竄ができるという事は、電子情報に対し、読み取りだけでなく書き込みも可能だったという事だろう。
彼女は人類に対して、交信による直接的な会話こそできなかったものの、メールのような文章のやり取りくらいは、主人公との合流前の段階でできていたのかもしれない(実際にそれを行ったかどうかは別にして)
そして、主人公と合流後は、自ら依頼を取ってきたり商取引を行ったりと、他者と頻繁にやり取りをしている。他者との交流自体が初めてではこうはいかない
やはり、直接交信が可能だったのが主人公だったというだけで、彼女はかなり以前から他者とコミュニケーション可能だった可能性は捨てきれない
少なくとも、主人公が初めてではないと思われる

 

この部分がなぜ重要な考察の分岐点かというと、エアは他のコーラルについて、同胞たちの声が~と言っていたが、具体的な会話内容を話したことは無い。他に会話可能なレベルの知性を持つものがいないのではないだろうかという考察は、エアのこの態度と『長い間~』から続く孤独を連想させる言葉を証拠とする考察者は多い

 

しかし、実は会話可能な他の知性体がいたとして、エアは馬鹿正直にそれを告げるだろうか?
おそらく告げない
不利になることは秘匿することでミスリードを狙う会話術ができる
彼女が他の知性体について発言しない事は、他の知性体が存在しない事とイコールではない

 

あくまで例えばだが、コーラル母集団が人類とアイビスの火について調べるために生み出した翻訳装置兼情報収集係…つまり無自覚なスパイの可能性すらゼロというわけでは無いだろう
コーラルの声が彼女に届くように、彼女の声もまたコーラル母集団に届いていた可能性は高い(この場合は全く別の仮説に行きつくのだが、話がそれるので深掘りしない)

 

どちらにしろ、結局作中明言されていない以上、断定できる情報はない
また、ブラフやミスリードだけでなく、エアはアイビスの火で起こったことを知りたがっていた等、単純に知らなかった。無知・誤解の可能性まで考えると、考察は多岐にわたる

人間が自分の体の仕組みをすべて理解しているわけではないように、エアがコーラルだからと言ってコーラルのすべてを理解しているという説は支持しない考察者が多い
結局のところ『エアが○○と発言していたから○○で間違いない』とはならないという事は、考慮において考察すべきだろう

 

余談:信用度とは別に、エアが『生きる死ぬの概念』を理解しているかには大きな疑問がある。コーラルの焼滅を拒絶していたが、焼かれたコーラルが本当に死ぬのか。彼女の死と人間の死は本当に同じものなのだろうか?