コーラルの性質に対する認識を、人類とその他で分けてみた
劇中説明されたコーラルの説明が、ゲーム内のキャラクターによってその認識が異なるため
プレイヤー視点で見たとき、異なる認識を一つにしようとして逆に混乱している人が多い
あえて、与えられた情報を統合せずに、人類視点と、知性型変異波形やオールマインド、また交信可能な主人公621の視点で分けてまとめてみた
コーラルとは
今作の鍵となる惑星ルビコン3で発見された新資源。半世紀前のアイビスの火でその大部分が焼き払われたと考えられていたが、ごくわずかに残っていたようで、ルビコン開発民(ルビオニアン)によって、細々と利用されていた
この情報は長い間、封鎖機構と呼ばれるこの世界の政府系組織によって星外に対し秘匿されていた
しかし、独立傭兵レイヴンにより、ルビコンにコーラルが残っていることがリークされると状況は一変。新資源獲得を目的とする複数の武装企業の介入を促し、資源の奪い合いによる三つ巴ならぬ四つ巴の戦いが始まった
ただし、コーラルを語る上で留意しなくてはならないのが
コーラルの性質に人類とそれ以外(エアやセリア、オールマインド)とで、少なからぬ認識の差がある事である
通常のコーラル(未精製・あるいは採掘された直後のもの)
〇人類の認識:ルビコン3で採掘された地下資源。生物であることはわかっているが謎が多い。知能に関しては、生物的反応はするがあったとしても粘菌やアリ程度のものと思われているものと推察される
主にミルワーム餌や麻薬の原料となる。石油で言えば原油に近い状態である
集積コーラルでの戦闘において大きな湖のように表現されており、通常液体であることが示唆されている
また、その場面において足元に攻撃しても着火しない等、この状態での発火点は相当に高いか、そもそも発火しない可能性がある
▽コーラル知性体やAMの認識:群知能を持つ知性体でありエアやセリアにとっての同胞。活発な生命活動や増殖は行っておらず、地球の生物で例えるならば地下で眠りについているのに近い状態と考えられる
セリアは「尽きることが無い」と言っていたが、その意味は考察により分れる
活性化したコーラル
〇人類の認識:採掘された普通のコーラルに対し、群知能にエネルギーを送ることで活性化し、エネルギーを何らかの信号と誤認させることで、そのエネルギー放出に任意の指向性を持たせることができる。つまり、ある程度操作が可能な状態のコーラル。作中では赤いエネルギーとして、ブースターの炎や兵器に使用されている
工業上のエネルギー資源として非常に優秀であり、石油関連製品で例えるならば精製済みのガソリンのように認識されている
また、電子運動に影響を与え、また与えられることから、情報伝導体としてもすぐれた可能性を持つ。密度によって増殖が可能であり、真空状態では異常な速度で増殖する。この性質は本編中ジェネレータなどに利用されている
三週目以降に追加される、『コーラル輸送阻止』の輸送ヘリやコーラルを食べすぎたミルワームなど、外的ダメージによって爆発することが示唆されている
あえて通常コーラルと分けたのは、この爆発誘爆する性質に注目する考察において、コーラルであれば誘爆するという認識を避けるためだ
▽コーラル知性体やAMの認識:人類とほぼ同じ知見だが、コーラルの知能が人類の想定より高い事がわかっているため、やや人類よりも注意している。(例えるなら、人類が粘菌の性質を利用して迷路を解かせるような感覚でいるのに対して、彼女らは知性体の行動としてアリやハチの習性を利用して特定の行動をとらせると考えているようなもの)
不活性コーラル
〇人類の認識:液体でなく基本的には結晶構造の個体らしい、粉塵として大気中に漂っているか、灰としてルビコンの大地に積層している
群知能としての活動は行っておらず、増殖も再生もしていない。「灰」とも呼ばれている。いわば『コーラルの死骸』だと認識されていると思われるが、エネルギーは通常の大気より内包しているようで、濃度が濃い場所ではACのエネルギー充填率が飛行によるエネルギー消費を上回るため、無限に飛行ができた
「アイビスの火」以後、焼却されたコーラルが惑星全体の大気を覆っている。
▽コーラル知性体やAMの認識:最も人類とコーラル変異波形や主人公の認識と食い違う部分。
主人公621に赤い奔流として認識されたように、またエアがその声が聞こえるはずと繰り返し言っていることからも、決して死骸ではない。一度大量の熱エネルギーを与えられたことで一種の仮死状態にあるのか、あるいは生物としてみれば極端な疲労状態にある。声に応えることも能動的な何かができるわけでもない。再活性化が可能かどうか・・・というより再活性したのかは、リリースルートの解釈によって異なる
当たり前の話であるが、例えば犬などの動物を焼き殺したできた灰を、不活性犬と呼ぶことが無いように、不活性化したコーラルは何らかの理由でコーラルのままであることは注意が必要
相変異
〇人類の認識:集積したコーラルが、異常増殖を始めた状態。少なくとも本編の半世紀前であるアイビスの火以前では、一度変異体となったコーラルに対して制御方法は確立しておらず、焼くことで不活性にするしかないと考えられていた。
また、相変異の後何が起こるかは、わかっていなかった。
アイビスの火はこの状況からの致命的な破綻を防ぐために、研究者ナガイ教授らがコーラルに火をつけたことが原因と思われる
▽コーラル知性体やAMの認識:AMからすればコーラルリリースの計画の一つ
エアはこの現象に対する知識が無かったため、主人公に依頼する形でアイビスの火の原因を探っていた。リリースルート以外では人間の研究以上の知見は得られず、人間の感想を素直に受け取って「破滅」と表現していたが、それを防ぐ方法もまた見つかると信じていた
セリアに関しては、自らコーラルリリースを提案する等していたことから、脅威として受け取ってはいない可能性が高いが、本編中その真意が語られることはない
変異波形およびCパルス変異体
〇人類の認識:数あるコーラルの群知能の波形の一つで珍しい変異をしたもの。
ナガイ教授ら研究者は、相変異の兆候ととらえていたが、具体的にどう関係があるのか(発生自体がその前触れなのか、数が増えるとそうなのか、その知能についてどこまで研究が及んでいたかは本編内で語られていない)
主人公とドルマヤンと除き、会話可能な知性を持つことを知っている人間がいるかは不明
▽コーラル知性体やAMの認識:会話可能どころかハッキングや依頼の授受や換金などの商取引、果てはACの操作が可能なレベルの知性を持つ
エアの他勢力との交渉や換金などの商取引は、ウォルターからは基本的に主人公が独断でやっているものと認識されている
エアは自己が生まれた原因を特定できておらず、自我を持ってから長い間少なくとも人に声を届けることはできなかったと言っている(ただし、これは本人の自己申告。不審点が多すぎることには留意)
AMは観察記録から、長い間この変異体を探していたことが示唆されているが、その発見と特定は主人公がウォッチポイントを襲撃する直前だった。
エアの長い間~というセリフが事実であるなら、何らかの理由で検知できていなかったことになり、言い換えればAMの言動が別の知性体の存在を否定する根拠にはならない。
そのため、現在はドルマヤンとの交信をしていないであろうセリアの消息は不明であるし、他の知性体が存在しないとも限らない
【AC6考察】アーマードコアVIの考察の分岐点について
考察で意見が分かれやすいポイント
複数の考察ブログや動画・掲示板(ふたば・あにまん・5ちゃんなど)から、比較的意見が異なりやすい部分を理由付きでピックアップしました
注意点として、考察者の多い少ないは私の見た範囲での大小のため、正確ではなないかもしれません
あくまで、複数の考察者様の間で意見が異なる部分に対するピックアップです
まず、今作に限らず、そもそも物語を読み解くうえで重要な事実を確認したい
ほとんどの創作物において、登場人物の全員が、嘘一つなく隠し事も無い状態で、必要な情報はすべて声に出して音読してくれる・・・などという事はない
一見当然のようだが、見落としがちな事実である。
エアにしろ誰にしろ、他の登場人物全員が主人公(プレイヤー)に伝えていない情報など山ほどあるだろう
特にACシリーズは、あえて様々な考察ができるように説明をボカしているのだから
ドルマヤン随想録の書かれた時期
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まず前提として、アイビスの火の後惑星封鎖により合法的な輸出入は途絶えているが、それ以前のルビコンは、新しく発見された植民可能な惑星であり、新資源発見に沸き立つ開拓惑星であった 随想録が、アイビスの火以前に書かれた可能性 この随想録②は、かつてはコーラルが尽きることは無かったという、別の記述『ルビコニアンの糾弾』から、アイビスの火以前の物ではないかという考察もできる
随想録がアイビスの火以後に書かれた可能性
では、アイビスの火以後にコーラルが「尽きることは無い」とセリアが言ったことになり、矛盾が発生しないか?
矛盾しない
このことからエアは、すべてのコーラルの集約した意識というわけではない事がわかる
これらのことから考察するに、彼女ら変異波形はコーラル全体に宿った意思というより、どこか安全な場所に本体のような何かが存在し、散逸したコーラルを使用することは、本体に何のデメリットも無いと考えれば、辻褄はあうだろう
この、コーラルの本体的なものが別にあるという考察はオールマインドの言葉でも推察できる。ミッション「コーラル輸送阻止」では、通常コーラルを『母集団から孤立した個体群』と表現しており、リリースルート最終決戦では「エア、あなたの同胞は我々を受け入れるでしょう」と発言している。目の前に大量の集積コーラルと吸い出されたプラント内コーラルがあるのに、「するでしょう」という予想なのは、目の前の吸い出されたコーラルには意思は宿っておらず、別の場所にエアの同胞、意思を持ったコーラルが複数存在している可能性も矛盾はない。
あくまで例えば・・・だが、コーラルの本流は惑星のマントルや核等、人類が到達し得ていない深い場所に存在し、人類が発見した地表付近のコーラルはそこから滲み出たほんの一部、氷山の一角に過ぎない可能性もある まとめ
前提:ドルマヤンと交信可能になったセリアは人類との共存についてコーラルリリースについて興味を持っていたが、ドルマヤンの賛同は得られなかった 考察①
考察②
ちなみに、オールマインドの捜索能力は、はっきり言って当てにならない。エアの自己申告によると「長い間自分を認識できる人間はいなかった」と言っているため、自我をもってある程度時間が経っているはずであるが、ログ『観測データ:変異波形反応』から、長い間コーラルを観測していたのに、エアの存在に気づいたのは主人公のウォッチポイント襲撃直前である
考察②-2
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ウォルターの最後のメッセージはすべてが真実か否か
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そのままだった場合の解説は、そのままであるがゆえに必要ないと思われる
レイヴンの火ルートと解放者ルートで、捕縛された主人公621にウォルターがあてた最後のメッセージには信憑性に疑問が残るという説について解説したい
ナガイ教授の恐れた破綻と、ウォルターのメッセージで告げられた内容は、果たして同じものだったのだろうか?
以下4つの疑問点について考察してみよう
①メッセージを受け取った時の状況
順番に見てみよう
①メッセージを受け取った時の状況が、メッセージそのものへの信憑性を薄めている
②物語上、つまり世界観の話だが、そもそもコーラルが真空中であれば無制限に増殖可能なエネルギー・質量保存の法則を全く受け付けないような性質を本当に持っているのであれば、そもそも物語中のような状況は生まれていない
ウォルターらオーバーシアー以外の人類がこの特性に気付いていないというのはあり得ない。
通常のコーラルは安全で、一度相変異してしまうと、エネルギー保存の法則を無視した増殖をするというのも考えづらい。いつ相変異を引き起こすかわからない、通常のコーラルよりも、その相変異済みのコーラルこそ制御可能な極少量だけ持ち出され高値で取引されるだろう
つまり、語られていない何かがあるはずなのだ、真空以外の条件か、エネルギーの上限が
③そもそも内容に疑問がある
仮に無限に増殖するとしても限界がある栗饅頭で宇宙は滅びない(←何のことかわからない人はコピペして検索してみよう)
宇宙空間に、自己増殖する可燃物が放り出されたとしよう
その上、実際には恒星の熱線(光と電磁波)と太陽風がある
※注1:これにつてのこれ以上の考察は長くなるので、いったんここまでにして、文末に注釈を追記する
結論として、熱ダメージで誘爆するのが事実であるならば、語られた破綻には疑問が残るという考察者は多い
④賽は投げられたエンドにおいては、事実真空に解き放たれたコーラルは、空間に空いた穴に吸い込まれた、もしくはブラックホール仮説においては、拡散では無く収縮を行った
①~④ つまり、そもそもウォルターが主人公に語った破綻は、全て真実というわけでは無い可能性もあるという事だ。
もちろん、すべて真実という考察者も多い
ちなみに、主人公救出ミッション以降、コーラル焼却の協力者でありオーバーシアーの生き残りであるカーラは、破綻を防ぐために行動を共にするが、破綻の具体的説明をあらためてすることはなかった
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※注:1の追記
一度火が付いた場合に連鎖誘爆すると語られている以上、ルビコンは滅びても、数光年先の別の恒星系への影響は、当然数年後でありそのエネルギーも指向性が無い以上は拡散されているだろう
無限増殖のというのは疑問が残る
この辺りはコーラルが実在しない以上考察でしかないが、どこかで限界を迎えるという考察は説得力があるため、支持する考察者は多い
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エアの隠し事
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エアが自分自身が知性あるコーラルであると明かしたのは、アイスワーム戦後である
それまでの一人のルビコニアンというが嘘というわけでは無いが、都合の悪い情報は秘匿する程度の駆け引きはできるという事だろう
信頼性が高い発言
一方で、他の部分の多くの発言が検証することができない。そもそも主人公とオールマインド以外にエアと会話できる存在がゲーム中に登場していないからだ。
信頼性が低い発言
このルートでエアは主人公に「衛星砲を掌握しました」と告げ、さも呼び出しに応じなければ主砲で撃ち落とすことができるかのような雰囲気を言外に込めることで呼び出すことに成功した エア戦の背景を見るとザイレムから衛星砲へ向かって砲撃が行われているが、衛星砲側からは、リングの端についた副砲で応射しており中央のアイボールから放ったと思われる主砲は発射されていない そもそも2射目を撃つとも言ってない。衛星砲が構造上、連射可能だったかも不明
理由はどうあれ、ブラフだった、もしくは主人公に秘匿していることがあるため、主人公を封鎖ステーションにおびき寄せる必要があったという考察には説得力がある
ひとりのルビコニアン発言も含めて、直接的な嘘よりもミスリードを狙う会話術が得意と思われるが、それだけの知能がある以上、完全な嘘がつけないわけでもないだろう
以上、比較的信用できる点とできない点を紹介した。これをふまえたうえで本題
考察が割れやすい部分
彼女は主人公と交信が可能になった時点で、流暢に言葉を話している。生まれて間もないという事はなさそうだ。
この部分がなぜ重要な考察の分岐点かというと、エアは他のコーラルについて、同胞たちの声が~と言っていたが、具体的な会話内容を話したことは無い。他に会話可能なレベルの知性を持つものがいないのではないだろうかという考察は、エアのこの態度と『長い間~』から続く孤独を連想させる言葉を証拠とする考察者は多い
しかし、実は会話可能な他の知性体がいたとして、エアは馬鹿正直にそれを告げるだろうか?
あくまで例えばだが、コーラル母集団が人類とアイビスの火について調べるために生み出した翻訳装置兼情報収集係…つまり無自覚なスパイの可能性すらゼロというわけでは無いだろう
どちらにしろ、結局作中明言されていない以上、断定できる情報はない 人間が自分の体の仕組みをすべて理解しているわけではないように、エアがコーラルだからと言ってコーラルのすべてを理解しているという説は支持しない考察者が多い
余談:信用度とは別に、エアが『生きる死ぬの概念』を理解しているかには大きな疑問がある。コーラルの焼滅を拒絶していたが、焼かれたコーラルが本当に死ぬのか。彼女の死と人間の死は本当に同じものなのだろうか? |